とっとりバイオフロンティアWEBセミナーのご案内

日時:令和3年8月26日(木)15:00~16:30 WEB開催(Zoom)
講師:増田 健一 氏
国立研究開発法人 理化学研究所 人工ワクチン研究チーム チームリーダー

詳細ポスターはこちら

8月は「ウイルスと獣医学」をテーマに2日連続のセミナーを開催!
2日目は増田健一先生によるコロナウイルスワクチンのお話です。

現在日本国内をはじめ、世界中で接種が進められているコロナウイルスワクチン。
変異株や獲得した抗体がウイルス感染を促す現象(抗体依存性感染増強:ADE)への対抗策として、ペプチドワクチンの研究を進める増田先生のお話です!


どんな変異にも有効な汎用ワクチンをつくる!

現在新型コロナウイルスに対して、ワクチン接種による感染対策が進められています。
現行ワクチン開発の課題は
変異株の出現獲得した抗体が逆にウイルス感染を促す現象(抗体依存性感染増強:ADE)です。

従来のワクチンでは、無毒化したウイルスやその遺伝情報の一部を投与し、それによって異物(抗原)と認識したリンパ球の一種、T細胞が活性化します。T細胞は同じ抗原を認識する別のリンパ球、B細胞を刺激してIgG抗体ができます。
多数のIgGがウイルスに結合すると、補体というタンパク質がやって来てウイルスに穴を開けて死滅させるのです。死んだウイルスはマクロファージという細胞が食べて処理します。

ところがウイルスが変異するとT細胞やB細胞が認識できなくなり、ワクチンで獲得した免疫反応が効かなくなる場合があります。また、ワクチンによって得た免疫をウイルスに悪用されて逆に感染が重症化するケースも。
ワクチンの効果で作られるIgG抗体が少ないと、補体が働かず、IgGを目印にやってきたマクロファージが生きたままのウイルスを食べてしまいます。これはマクロファージに感染できるウイルスには好都合で、マクロファージの中でウイルスが増殖する抗体依存性感染増強(ADE)起き、重症化してしまいます。



これらの課題の解決方法として
ウイルスタンパク質のアミノ酸配列の中で変異がみられない部位を選択し、そこに結合するIgGとは異なる抗体クラス(IgM)を誘導することです。
このIgM抗体をT細胞を介さず、直接B細胞を刺激することで産生させるのが
講師らが開発した「多重抗原ペプチド」ワクチンです。
IgM抗体はマクロファージを引き寄せないため、生きたウイルスを取り込んで起こるADEを抑えることができます。

本セミナーでは、解明されている動物における高病原性のコロナウイルス感染を例示しながら、多重抗原ペプチドが刺激する免疫反応を解説することで汎コロナワクチンの必要性を発信します。

ご多用とは存じますが、ぜひご覧ください。


本セミナーはWEB開催(Zoom)で事前申込制となっています。
参加ご希望の方は開催前日の正午までにこちらの参加フォームよりお申し込みください。

※申込数によっては参加人数を制限する場合がございます。
 参加希望がかなわない場合はご容赦ください。


連絡先:バイオフロンティア推進室(担当: 森山)